折角だから

本当はもっと後に振り替えるシリーズで書いてもいいネタなのですが、折角新方式のフォーマットで作った映像をリリースしたので、あの画面の意図的なものを解説してみようかと思います。ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方は、お時間がありましたら、先に
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8957970
を見てから読んでいただければ幸いでございます。


この画面、9月中頃から頭を抱えつつ作ったものなのですが、制作時のプロジェクト名はRTSモードと名づけていました。そう、その名の通り、多くの情報がどんどん流れていく、RTSなどを参考にした画面を作り出してみたのです。。
RTSMMORPGなどを経験された方ならお分かりいただけると思うのですが、こういったゲームではメインの画面で刻々と何かが起こっていて、時には画面外で起こったことなんかもあって、落ち着いて状況を把握したいときにはログウィンドウを見ますよね。

これを踏まえまして、今回の場合、重要なのは街の開発の様子を見せつつ、黒字を目指すのでお金という面が重要なファクターです。そのため、何を建てたかという情報、そしてそれによる資金や会社損益の変化というものを、普通であれば目を引く動きで表示しました。そして、情報が早すぎて把握できなかった、もしくは視点を外していた人が情報を把握できるように、何を建てたか、完成したか、売却したかという情報をログという形で一定時間表示するようにしました。これで、基本的には伝わって欲しい情報は概ね伝わるだろうと思ったのですが、どうだったでしょうか?

そして、完成時に業務部長や建設部長がコメントを言うのは、彼らに完成物件のマーカーの役割をしてもらいつつ、赤字か黒字かの情報の伝達、そして働いて作ったんだよ!という演出面の役割もしてもらう、といった形です。
場所の把握という点では、左下にサテライトも入れましたが、これは見辛いし、基準となるオブジェクトが無いため、正直不十分なものだとは思います。開発地域を絞ったのは、勿論ストーリー上のものもありますが、地理関係を把握しやすいように、メイン画面を縦2,3画面分に絞って、慣れて把握してもらおうという不親切方式です。不親切ではあるけれど、とりあえず有効ではあるだろう、という認識です。

また、勿論端折った情報もあります。子会社の収支は完成直後のみの大まかな収支しか表示していませんし、鉄道の収支の変化、バス停の発展度などは表示しませんでした。これは情報の飽和を恐れた面もありますし、中の人も把握しきれない、という現実的な理由もありました。バス停なんか沢山ありすぎて、固有名詞の増加に繋がっちゃいますからね。
その副作用として、子会社売却査定が甘いな、っていうコメントもありましたが、一部を除いて黒字化、もしくは黒字化へ進んでいる状態の建物でないと、殆どの場合売却額はプラスに転じません。ですから、最初赤字の物件だったのが、プラス額で売却されるのはこのように査定額マイナスだったものが、発展による周囲状況の良化でプラスに転じたからなんですね。この辺を伝えるという部分ではまだまだ課題が残っているなぁと思います。
何より最大の課題は、あらゆるデータをとり、見せられる形で画面を撮り、そしてそれにあわせて膨大な小物素材を作り、ほぼ全編AfterEffectsで編集という眩暈がするような非効率さをどうするか、ということなのですが、まぁ常に開発だけを行うわけでもないので、この辺は諦めるしかないかーアハハ・・・といった感じです。